害獣の捕獲は自治体に頼める?18市区の支援内容を比べた一覧

ハクビシンやアライグマの捕獲を自治体に頼めるかは、住んでいる市区によって大きく異なります。委託業者が捕獲器の設置から回収までやる自治体、わなは貸すが見回りとエサは住民がやる自治体、相談だけで捕獲許可は自分で取る自治体の3タイプに分かれます。10市区を調べて一覧にしました。

「市役所に言えば無料でやってもらえる」と聞いて電話したら、わなを貸すだけだった——という行き違いが起きやすい分野です。しかもどの自治体も、侵入口をふさぐ工事まではやりません。捕獲と再発防止は別物だ、という前提から押さえてください。

目次

まず結論:支援は3つの型に分かれる

型内容この型の自治体(調べた18市区のうち)
A:委託業者が設置・回収まで市区が業者を派遣して捕獲器を設置。捕獲後の引き取りも行う。住民は見回りとエサ替えを担当世田谷区・目黒区・練馬区・大田区・杉並区・江戸川区・船橋市・横浜市(委託業者の設置を選んだ場合)・川口市/福岡市(アライグマのみ)
B:わなを貸す(管理は住民)箱わなを無償または低額で貸し出す。設置・見回り・エサ・捕獲時の連絡は住民が行う千葉市・川崎市・神戸市・名古屋市(捕獲許可が前提)・大阪市/堺市/福岡市(アライグマのみ)
C:相談と助言が中心被害状況を確認して助言。捕獲は自分で許可を取るか、許可を持つ業者に依頼するさいたま市・京都市
※各自治体の公表内容をもとに2026年10月時点で整理。制度・予算・条件は変わるため、申し込み前に窓口でご確認ください。

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※紹介している業者の対応エリアは関東・関西・東海・中四国・九州です(2026年10月時点)。エリア外の方は地域の業者をお探しください。

18市区の支援内容(一覧)

自治体型支援の内容住民の負担窓口
東京都世田谷区A委託業者が捕獲器を設置。同一の敷地・建物につき年度内1回、原則1週間(希望により最大4週間)作業の立会い/毎日の見回り/週1回程度のエサ替え(エサ代は自己負担)/捕獲時の連絡環境保全課 03-6432-7137
東京都目黒区A家屋被害がある場合に箱わなを設置して捕獲処分。箱わなの貸出と捕獲動物の回収費用は区が負担毎日の見回りとエサの管理(原則自己負担/65歳以上・障害者世帯を除く)相談・捕獲処分専用ダイヤル 03-5496-5350
神奈川県横浜市A/B自分でわなを設置する方法と、市の委託業者が1か月設置する方法を選べる。捕獲した動物は市の契約業者が無料で回収委託業者の設置は年度内1回・予算上限に達すると終了環境活動事業課 045-671-3448
神奈川県川崎市B捕獲器を一定期間、無料で貸出アライグマ・ハクビシンは自分で捕獲許可を取るか、許可を持つ民間業者に依頼する動物愛護センター 044-589-7137
千葉県千葉市B生活被害がある場合に箱ワナを設置。原則1か月(予約が混む時期は捕獲時点で返却)1日1回以上の見回り/捕獲時はすみやかに市へ連絡/ネコ・タヌキ・アナグマ等がかかったら放獣環境保全課 自然保護対策室 043-245-5195
愛知県名古屋市B捕獲箱を貸出(貸出期間2か月・受け渡しは市役所西庁舎)有害鳥獣捕獲許可が前提/申請者の要件あり(町内会長等・近隣3世帯以上の同意など。第三者が入れない自宅の庭等は同意不要)都市農業課 052-972-2499
大阪府大阪市Bアライグマのみ委託業者が捕獲檻を貸出・回収(1台・原則2週間)。捕獲後は安楽死処分設置中の管理(扉の開閉・エサ・害虫対策・錯誤捕獲時の放獣)は借受者各区保健福祉センター/動物管理センター分室 06-6978-7710
兵庫県神戸市B自分の敷地での捕獲を希望する場合、無償で捕獲檻を貸出。市民団体による捕獲(KOBEアライグマバスターズ)も設置と管理鳥獣相談ダイヤル 078-333-4408(8〜21時・年中無休)
京都府京都市Cアライグマは区役所の窓口で相談。捕獲檻を使う場合は設置場所の提供などの協力を求められるエサは各自で用意/アライグマ以外がかかったら各自で放獣各区役所 地域力推進室/環境保全創造課 075-222-3951
埼玉県さいたま市C実害がある場合に現地確認のうえ、防除対策の助言や捕獲等。ハクビシンは目撃だけでは捕獲できない各区のくらし応援室へ相談各区 くらし応援室
東京都練馬区Aアライグマ・ハクビシンの被害が出ている住宅を対象に、無料で業者が現地調査をしたうえでわなを設置。建物内(主に天井裏や屋根裏)への侵入被害も対象に挙げている毎日の見回り/捕獲時は速やかに専門業者へ連絡/侵入口をふさぐのは住民側公式ページ
東京都大田区A委託業者が現地調査・箱わな設置・捕獲個体の回収まで行う。費用は無料。1世帯1台・2週間。タヌキはいかなる場合でも対象外最低1日1回以上の見回りとエサの交換(初回のエサは業者が用意)/箱わな回収後の侵入口の封鎖・追い払いは住民公式ページ
東京都杉並区A生活環境等への被害がある場合に、鳥獣保護管理法の許可を得てハクビシン等の捕獲用箱わなを設置(貸出)。捕獲時は設置業者が回収毎日の見回り/エサの入れ替えとエサ代の負担/捕獲時は速やかに設置業者へ連絡公式ページ
東京都江戸川区A家屋など生活環境の被害がある場合に捕獲用檻を設置。ハクビシン・アライグマが対象設置場所は庭・駐車場などの床置きに限る。天井裏や床下などは東京都ペストコントロール協会へ案内される公式ページ
千葉県船橋市Aアライグマ・ハクビシンを対象に無料でわなを貸出。設置・撤去・捕獲個体の回収は市の委託業者が行う毎朝の見回りとエサの準備/わなは1階の庭等への設置のみで、屋根裏の侵入対応や追い払いは行わない/土日祝・年末年始は回収なし公式ページ
埼玉県川口市A
(アライグマのみ)
防除のため敷地内に限り捕獲罠を設置することがある。罠の設置費用は市が負担ハクビシン・タヌキについては市として積極的な駆除も保護も行っていない公式ページ
福岡県福岡市A/B
(アライグマのみ)
箱わなの貸出は無料。または委託業者が依頼者立会のもと設置し、箱わなごと回収する方式も選べる。回収は平日のみ貸出の場合は設置・毎日の見回り・エサの補充・返却時の洗浄。軍手やエサは借用者の負担/家屋に住み着いている場合は民間の害獣駆除業者へ相談するよう案内公式ページ
大阪府堺市B
(アライグマのみ)
必要に応じてアライグマの捕獲器を貸し出すエサを与えないこと。設置・見回りの分担は公式ページに記載がない公式ページ
※各自治体が公表している内容をもとに2026年11月時点で作成。金額・期間・条件は変更されることがあります。最新の内容は各窓口でご確認ください。

一覧から分かる3つの共通点

1. 「無料で駆除してくれる」自治体はない

支援があるのは捕獲までです。目黒区のように箱わなの貸出と回収費用を区が負担する例はありますが、それでも見回りとエサの管理は住民が行います。「電話1本で全部やってもらえる」と考えていると、話が噛み合いません。

2. 侵入口をふさぐ工事はどこもやらない

目黒区は「捕獲処分後、侵入口をふさぐなどの侵入防止対策は行いません」と明記しています。これは他の自治体も同じです。1匹捕まえても、入口が開いていれば次が入ります。屋根裏に棲みついている場合、本当に必要なのは封鎖と清掃・消毒までを含む工事で、そこは民間の業者の領域です。

3. 自分で捕まえるには許可が要る

ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象で、許可を受けずに捕獲すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。アライグマは外来生物法の特定外来生物ですが、こちらも許可なく捕獲できません。名古屋市のように「捕獲許可を受けていること」を貸出の条件にしている自治体もあります。わなを借りられる=自由に捕まえてよい、ではありません。

対応エリア・料金・保証を見る(公式)

4. 「アライグマだけ」が対象の自治体がある

アライグマは特定外来生物で、国の防除計画にもとづく事業があるため対応が手厚くなりがちです。一方ハクビシンは在来種扱いで、対象から外している自治体があります。川口市は「ハクビシンやタヌキについては積極的な駆除や保護は行っていない」とし、福岡市・堺市・大阪市の案内もアライグマを対象にしたものです。見た目で判断せず、まず何がいるのかを確かめてから窓口に問い合わせたほうが早く進みます。

屋根裏に入られている場合、自治体のわなが使えるかは市区で割れる

18市区を見比べて、いちばん実務的に効く違いがここでした。同じ「わなを設置します」でも、屋根裏に住み着かれた状態を対象にするかどうかが分かれます。

  • 東京都練馬区/建物内(主に天井裏や屋根裏)への侵入被害を、実施対象として明記している
  • 東京都江戸川区/捕獲用檻の設置場所は庭・駐車場などの床置きに限る。天井裏や床下は東京都ペストコントロール協会へ案内される
  • 千葉県船橋市/わなの設置・撤去は1階の庭等のみで、屋根裏の侵入への対応や追い払いは行わないと明記
  • 福岡県福岡市/家屋に侵入して住み着いている場合は、民間の害獣駆除業者に相談するよう案内している

つまり多くの自治体で、わなは「庭先に来る個体を捕まえる」ための手段であって、屋根裏から追い出して侵入口をふさぐための手段ではありません。天井から足音がする、糞尿のシミが出ているという段階なら、自治体の窓口に相談しても解決まで届かないことが多いので、自分の市区がどちらの扱いかを先に確認してください。

屋根裏にいるのが何かを先に切り分けるなら屋根裏の物音の正体、天井にシミが出ているなら天井のシミは獣の尿かもが目安になります。

自治体に頼む場合と業者に頼む場合の違い

 自治体の支援民間の業者
費用無料〜低額(エサ代などは自己負担)有料(侵入口の数と被害範囲で変わる)
やってくれる範囲捕獲まで調査・追い出し・清掃消毒・侵入口の封鎖まで
住民の手間毎日の見回り・エサ替えが必要なことが多い立ち会い程度
期間1週間〜2か月の貸出期間、年度内1回などの制限あり調査から工事まで数日〜
再発防止対象外対象(保証をつける業者もある)

費用をかけたくないなら、まず自治体の窓口に相談するのが筋です。ただし屋根裏に棲みつかれている、フンがたまっている、という段階まで来ていれば、捕獲だけでは終わりません。その場合は清掃・消毒と封鎖まで一度に頼めるかどうかで比べてください。

相談する前に用意しておくこと

  1. 被害の写真/フン・足跡・天井のシミ・かじられた跡。自治体も業者も、現地確認の前にこれで判断します
  2. いつから・どの時間帯か/夜だけか、昼も動くか。動物の種類を絞る手がかりになります
  3. 建物の状況/戸建てか集合住宅か、築年数、屋根裏に入れるか。集合住宅は先に管理会社へ連絡してください
  4. 自治体の制度の確認/貸出の期間、年度内の回数制限、エサ代の負担。申し込んでから「条件が合わない」と分かるのを防げます

よくある質問

自治体に頼めば無料で駆除してもらえますか?

調べた10市区では、無料で駆除まで行う自治体はありませんでした。支援の範囲は捕獲までで、見回りやエサの管理は住民が行います。目黒区のように箱わなの貸出と回収費用を区が負担する例はありますが、侵入口をふさぐ対策は行いません。

わなを借りれば自分で捕まえていいですか?

捕獲には許可が必要です。名古屋市のように、有害鳥獣捕獲許可を受けていることを貸出の条件にしている自治体もあります。許可なく捕獲すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。手続きは自治体の窓口で確認してください。

ネコがかかってしまったらどうなりますか?

千葉市は「ネコ、タヌキ、アナグマ等が捕獲された場合は速やかに解放してください」と案内しています。京都市もアライグマ以外は各自で放獣するよう求めています。こうした錯誤捕獲への対応も住民の役割になるため、毎日の見回りが条件になっています。

捕まえたあとは誰が引き取りますか?

自治体によって違います。横浜市は市の契約業者が無料で回収し、目黒区は回収費用を区が負担します。大阪市は委託業者が檻の貸出と回収を行い、捕獲されたアライグマは安楽死処分となります。捕獲後の扱いは申し込みの前に確認してください。

一覧に自分の市区がありません。どう調べますか?

「市区町村名+ハクビシン」または「+アライグマ」で検索し、環境課・生活衛生課・動物愛護センターのいずれかのページを探してください。アライグマは特定外来生物として防除計画を持つ自治体が多く、ハクビシンとは窓口が分かれていることがあります。

参照元・出典

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